必要な資格と役に立つスキル
保育園看護師は園児の健康管理や園内の衛生管理、感染症予防が主な仕事です。
また、乳児クラスの保育補助も重要な役割を担っているため、保育園看護師になるには小児科経験が必要と考えている方も多いのではないでしょうか?
保育園看護師は園に1人のことが多く、病院で働く看護師の数よりとても少ないことから、情報が欲しくても周りにあまりいないため、現場の生の声を直接聞くことが難しいのも事実。
こちらでは、保育園看護師になるために必ず必要な資格と、実際保育園で働いてみてあったらいいなと思う知識やスキルをご紹介します。
保育園看護師に必要な資格
保育園看護師には、看護師資格のみ必要で保育士資格や幼稚園教諭の資格は必要ありません。
准看護師資格でもOKという保育園も多く、実際保育園での仕事の内容も同じになります。
また、小児科や小児医療に関しての経験が必須なのでは?と、身構えてしまう方もいると思いますが、必ずしも経験は必要ではなく、同じように育児経験もあったら役に立つかなくらいのレベルです。
では、資格とまではいかなくても現場で役に立つ知識やスキルとは?
これは必要! 役立つ知識
①小児医療
保育園看護師として働くうえで小児科経験までは求められませんが、ある程度の小児医療の知識は必要になります。
・体調不良時の対応(発熱 下痢 嘔吐など)
・ケガの応急手当て(外傷 捻挫 骨折など)
・熱中症対策予防
これらが主に必要な知識ですが、保育園によっては緊急時のための訓練として看護師が中心となってCPR訓練などもやっている園があります。
②感染症対策
保育園は免疫力が低い子どもたちが密に接触する集団生活の場であるため、感染が拡がらないよう感染症予防に関する保健指導をしたり、感染症が出た場合職員、保護者へ注意喚起をします。
感染症が出たクラスで同じような体調不良の子どもはいないか確認したり、受診が必要な場合の子どもがいたら保護者に説明をします。
インフルエンザやノロウイルス、アデノウィルス、溶連菌感染症など、子どもがかかりやすい感染症の知識は押さえておくとよいでしょう。
記憶に新しい新型コロナウィルス感染症が流行し始めたときは、未知なるウィルスと言われ対策も手探りでした。自治体の指導のもと、子どもたちにとって楽しいはずの給食では黙食をしたり、友だちと背中を向けてのお絵かきなど、それぞれの園で対応に追われていました。
③アレルギー
保育園には、食物アレルギーを持った子どもの入園も少なくありません。
保護者からの情報をもとに、園の職員全員で情報を共有したり、栄養士と連携して給食時のアレルギー対応を行います。
また、アレルギー反応が出た場合に迅速な対応がとれるように、体調の異変にいち早く気付くことや園医との連携をとっておくことが必要になります。
子どもの食物アレルギーで多いのが、卵、小麦、乳製品、大豆製品などです。
特に食べこぼしが盛んな0~1歳児クラスでは、対応が難しくなるということはいうまでもなく、この年齢の子どもたちは保育室の中で裸足で過ごしているので、給食やおやつのあとは、念入りにお掃除する事と子どもたちの足の裏ふきふきは欠かせません!
④乳児の発達と保育
保育園で看護師は乳児クラスの保育に入ります。
乳児は体と心と脳の急速な成長発達の時期。
乳児クラスの子どもたちはほとんど月齢がバラバラなため、それぞれの子どもの発達に合わせた保育をします。
そこで、必要なのは子供の成長や発達に応じた知識や援助の技術。
育児経験があれば、乳児クラスの保育は経験を活かせることになりますが、育児経験がなければある程度の食事介助、おむつ交換、月齢に応じた発達の知識などはポイントをおさえておくとよいでしょう。
また、言葉を話すことができない乳児は泣いたり、笑ったり、喃語で気持ちを伝えようとするので、子どもが求めていることを読み取る力、察する技術、スキンシップなどのふれあいを自然にできるコミュニケーションスキルがあれば、乳児クラスの保育が楽しさと癒しの時間になること間違いなしです(^^♪
あったらいいな♪ 役立つスキル
保育園の日常では、医療行為を必要とするような病人やけが人はほとんどいません。
そのため、医療の現場にやりがいを感じている場合、保育園看護師として働くには『医療行為から離れる覚悟』が必要。
逆に医療行為の手技に苦手意識がある場合は、安心して働ける職場というわけです。
パソコンでの作業や衛生管理としての園内の掃除や消毒作業、いわゆる『雑務』を抵抗なくできる心構えも必要。
子育て経験は必須ではありませんが、絵本や紙芝居の読み聞かせに慣れていたり、子どもとのコミュニケーションスキルが高かったりすれば子どもとの信頼関係の構築に役立つこと間違いないでしょう。
そして、保育園は毎月いろいろな行事がおこなわれます。
主な行事は、お誕生日会 運動会 発表会などなど…
もちろん主となって行事の企画をしたり、製作をするのは保育士さんですが、
看護師だけど、ピアノがひけたり、絵を画くことや工作が得意、衣装作りにミシンが使えるなんてことができると、とても重宝されますよ(^^♪
役に立った こんなスキル 保育園エピソード
保育園看護師の仕事の一つにケガの手当てがあります。
子どもたちが大好きな園庭での外遊びですが、外に出れば1人や2人、時々3人…ケガ人が発生❗
出血を伴う擦り傷から、遊具にぶつけた打撲… 消毒したり保冷剤で冷やしたりで済むものもあれば、病院受診が必要となる心配なケガもあります。
そんな私の仕事を理解できる年頃の3歳児クラスを巡回していると、一人の女の子が近づいてきました。
「eriせんせー この子のケガも治してあげて...」
「この子?」
彼女が「この子」と言っていたのは、腕に抱きかかえていたウサギのぬいぐるみでした。
クラスで人気者のそのうさぎさんは、時にクラスのお友だちとうばい合いになるのでしょう。
片方のお耳が今にもちぎれそうな痛々しい状態に...
幸い、裁縫を趣味としている私にとって、どんな傷の手当よりも得意とする治療でした^.^
まとめ
1.保育園看護師に必要なのは、看護師資格のみ
2.保育園看護師に役立つ知識
①小児医療
②感染症対策
③アレルギー
④乳児の発達と保育
3.保育園看護師に役立つスキル
①医療行為から離れる覚悟
②雑務を抵抗なくできる心構え
③子どもとのコミュニケーションスキル
④楽器演奏、イラスト絵画、DIY、お裁縫など趣味程度の特技
ここまで保育園看護師になる方法をいろいろお伝えしてきましたが、今、保育園という現場で働いていて、結局のところこれさえあれば大丈夫と思う一番大事なこと。
・子どもが好きという気持ち
・保育園での日々の経験を大切にし、わからないことは調べて学んでいこうという気持ち
この二つさえあれば大丈夫!
あなたも、小さな子どもたちの笑顔と健康を守る保育園看護師になれますよ(^_-)-☆